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「今の子どもは何を考えてるかわからない!」「子どもは変わってしまった」……

第4回 子どもたちとドラッグ:その1

子どもたちとドラッグとの距離は年々縮まっています。
テレビで報道される事件を見ていると
非常に遠い事柄のように感じるのですが、
実際には子どもたちの身近な所にドラッグが接近し、
入り込んでいるのが実情です。
様々な誘惑と間違った知識に対して、
子どもたちを知的な面でも、実質的な面でも武装させていくことは、
聖書の教育であり、また、私たち大人(親)の責任でもあります。


10年前、J-VICに来ていた中高生とドラッグについて学びました。
なぜなら、彼らの友だちがドラッグにはまり、
彼らが誘われていたからです。
「一緒にスピードやらない?」
「覚醒剤をやらないなら明日からあなたを
いじめの標的にするから…」と。
仙台の若林区の学校で既に10年前に
このような問題が起こっているのです。


今回は子どもたちとドラッグについて、
『ドラッグ社会への挑戦』小森榮著
(丸善ライブラリー)から学んでみましょう。
10年前の著書ですが、非常に参考になると思います。


「押収覚醒剤半年で一トンを越す」これが10年前の統計です。
しかも覚醒剤だけで一トンを越しているのです。
日本社会が抱えている薬物乱用問題は、
禁止し脅すだけでは、解決しない所まで来てしまいました。
これからどうなっていくのか、結論が見えない中であっても、
少しでも具体的な解決を目指して前進することが必要です。

〈若者と薬物の接点 —薬物使用は個人の問題か—〉

 小森榮氏は刑事弁護人です。それゆえ、薬物取締法違反で裁判を受ける若者と接見することが多いのですが、被告人の若者たちの多くが「薬物を使用するかどうかは個人の問題だ。私の勝手」と言います。しかし、逮捕された彼らだけではなく、一般の高校生にアンケートを取ったところ、27%の高校生が、〈薬物を使用するのは個人の自由〉と回答しました。私たち大人が違法薬物に対して抱いている「恐さ」の感覚を、若者たちはあっさりと乗り越えようとしているのです。この若者たちの薬物感覚とは一体どのようなものなのでしょうか…。

 今、若者たちは、覚醒剤を「スピード」とか「アイス」と呼びます。「スピード」は薬効を感じる速さから生まれたスラングで「S=エス」はその頭文字。「アイス」は覚醒剤の結晶体が透明感がある氷のように見えることから来ており、「クリスタル」とも呼ばれます。このような呼び方はアメリカから輸入されたものですが、呼び方と使い方が変化したことで覚醒剤のイメージも変化し、ファッション感覚で若者層に入り込んでいきました。


 10年前で日本の覚醒剤乱用者は220万人にもなります(覚醒剤のみで大麻・シンナー乱用者は別)。しかし、ここで問題なのは数ではなく、質が変化したことにあります。具体的には…


乱用者の低年齢化

 30年前は覚醒剤で検挙される大半が30歳以上でした。理由は覚醒剤が高価で若者には手が出せないものだったからです。しかし、20年前頃から20歳代の若者が増え始め、10年前の検挙者は10代~20代が全体の半分を占めるようになってきました。特に中高生の使用者が増え始めたのです。


乱用者の層が変わった

 30年前の乱用者のほとんどが暴力団関係か深夜業についている人たちだったのが、20年前、外国人密売人の増加に伴い、若者たちの間に、好奇心から違法薬物を使ってみる例が増えてきているのです。

 また、薬物をめぐる状況が大きく変わってきたことも乱用者の低年齢化をもたらしています。


覚醒剤の呼び方が変わった

 一昔前まで、覚醒剤は「シャブ」「ブツ」「ネタ」といかにも裏社会の隠語めいた名で呼ばれていました。しかし、現代は「S」「スピード」「アイス」と若者たちの間で通用する呼び名に変わっています。中身は従来と同じ覚醒剤なのですがが、呼び方が変わるだけで、まるで別な薬物のように軽く受け止めている人が増えています。


覚醒剤の使用方法が変わった

 従来は静脈注射が主流で、薬物と言えば注射器というイメージでした。ところが、今は煙草の感覚で加熱吸引して使用するのが主流で注射器などは使いません。また、錠剤タイプの覚醒剤も増え、市販薬やビタミン剤と同じ形状です。ここまでくると恐さや暗さのイメージは殆ど消えてしまいました。


覚醒剤の価格が変わった

 高価だった覚醒剤が10年間で10分の1に下がり手頃な価格になったということも乱用者の低年齢化をもたらす原因の一つです。吸引一回分(0.02〜0.04g)の末端価格は2000〜3000円程度になったため、中高生でも買える価格になってしまいました。


密売人の変化

 昔の密売人はいかにも暴力団関係者ふうの人でしたが、現在は渋谷などファッショナブルな街で、白人系の外国人や今風の若者が、若者たちの溜まり場にとけ込んで密売を行うケースがほとんどです。また、アルバイト感覚で違法薬物を友だちに転売する人々も増え、薬物乱用を周囲に広めていくケースが目立つようになってきています。


普通の生活ゾーンに密売場面がある

 以前は風俗店や外国人が集まる盛り場周辺で行われていた密売が、今は携帯で連絡し、指定場所で待ち合わせをするやり方が増加。しかも落ち合う場所はファミレスの駐車場や公園、コンビニ前です。友だちと会うような気分で薬物を手に入れるので、後ろ暗いイメージがなくなってしまいました。


 若者の薬物意識が変化したことも薬物乱用者の増加の原因です。すなわち、薬物を使用し始める時の明確な動機がない!のです。女子高生が「痩せられる」、受験生が「眠気覚まし」として使用し始めるのがその例です。また「好奇心から」「はずみで」という理由も多いのです。特定の使用目的がないということは、逆に言えば、誰にでも潜在的な使用動機があるということになり、さらに「その時の気分で」と遊び感覚で様々な薬物を使い分けている者も多いのです。

 最近では「合法ドラッグ」という落とし穴があります。合法ドラッグとは、違法薬物の分子構造の一部を組み替えて、法の網をくぐり抜けようというもの。違法薬物の擬似薬物だが、薬効もよく似ている。MDMA(通称エクスタシー)がその代表です。しかしMDMAは日本では麻薬と指定されており違法薬物であるのに「合法ドラッグだから…」ということで広がっていきました。ちなみにMDMAはたった一回の使用でも脳障害の原因になると言われています。

子どもたちを取り巻く環境と社会の変化を理解し、
まずは、子どもたちに正しい知識を伝えていかなければなりません。

J-VICスタッフ会では、子どもたちとドラッグについて皆で学びました。

つづく

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