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第19回 発達段階に応じた躾:その5

今回は発達心理学において博士号を取得し、
全米のテレビやラジオで活躍しつつ、
3人の歴代米国大統領に家族問題について助言してきた
ジェームズ・ドブソン氏の著著『意志の強い子』
(ファミリー・フォーラム・ジャパン 2007年)から、
発達段階に応じた子どもの躾について順を追って学んでみましょう。


〈9歳から12歳 —行動には結果が伴うことを教える—〉

 理想的には、9歳までに躾の基本を教え、そのあとは全般的に親の権威という枠を少しずつゆるめていきたいものです。つまり歳とともに規則や直接的体罰は減り、子どもが自主的に行動できるようにするのです。10歳にもなると、6歳の頃に比べて日常生活で自分で決断する自由が多くなるからです。同時に、歳ごとに責任を与える機会を増やすことが大切です。

 この時期のおおまかな目標は、行動には必ず結果が伴うことを教えることです。放任社会がもたらした最も深刻な害は、行動には責任があることを悟れないことです。わめきちらす3歳児の我が子を見過ごす親、自分に手を出してくる1年生の子に対して、幼いからと大目に見たり、訴えられるのを恐れて何もしない先生…。10歳の子がお菓子を万引きしてもちょっと叱るだけで赦す。思春期の子どもが狂ったような運転をして車をぶつけても親が高い保険料を払う。こういう親たちは、子どもの行動が引き起こす結果を子どもに味わわせないと決めている親と言えるでしょう。そのために、せっかくの貴重な教訓を学ばせることができないのです。

 人生は甘くない! つまり私たちの行動はすべて将来に影響があること、無責任な振る舞いは最後に悲痛な結果になることを知らずに成人する若者がいます。行動には必ず責任が伴うことを学ばず、直せるはずの間違った行動を次々にしている人を見るのは心の痛むものです。そうして育った青年は、社会人1年の最初の週から遅刻する。上司から一喝されてクビになると逆恨みし苛立つ。本人にとっては、自分の引き起こした嫌な状況からパパやママに救い出してもらえない初めての経験です(しかし、多くの親はその子どもを救い出そうとする…)。その結果はどうなるか…といえば、過保護で根強い依存心を持つ半人前の大人、また、永遠に思春期を抜け出せない大人が出来上がるのです。


 では、行動と結果をどう結びつけたらよいのでしょうか? ——子どもが無責任なことをしたらそれなりの痛みを味わわせることです(不注意で昼食代をなくしたら一食抜かせればいい…など)。度を越したやり方は良くありませんが、年相応の責任を子どもに持たせ、時には無責任な行動が生み出す苦い実を味わわせることです。

 ある15歳の女の子は日食を肉眼で見てはいけないと警告されていたのに、眺めて異変がない…とそれを見続けたため9割の視力を失ってしまいました。10代になると親からいけないと言われたことをする機会が沢山あります(麻薬、セックスなど…)。その時は害はないと思い、手遅れになるまで気付かないかもしれません。だから自分の判断に頼らず、教えられたことや注意事項を真面目に聞いたほうがいいと彼女は多くの人に訴えています。

 この時期は、青年期に入る前に親との間で親しく純真な愛情の通い合う時期でもあります。だからこそこの時期を十分に楽しんでほしいとも著者は語っています。

つづく

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